Wilderness / Brett Anderson

Wilderness

Wilderness / Brett Anderson

Artist:Brett Anderson
Label:Drowned in Sound
発売日:2008-09-01

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カスタマーレビュー

brettの夢

客観的な作品の評価は、前のレビューにある通り、確かに突出した楽曲はない。
シンプルで、ポップだとは言えないかもしれない。
ただ、ここには前作よりもより純化されたブレットの心象風景がある。
そして、すべてが非現実的で、何より美しい。
ブレットはアーティストである。
suedeの後期、a new morning 制作時において、彼は自分の夢を失っていたように思われる。
ブレットはsuede時代から夢を描き続けてきた。屈折していようが倒錯していようが、そこには美しさで全てを覆い隠してしまおうとする彼の夢があり、野望があった。
そして、コアなファンが自己正当化のために求める現実から隔離された幻想があった。
このアルバムには、失われた幻想が匂い立つような生々しさで横たわっている。
おそらく、コアなsuedeファンが求め、ブレットを追いかけてきた少年少女が縋りついたものが、再び純化されてここに在るのではないだろうか。
ブレットは虚構が嫌になったと発言していたし、ありのままの自分を音楽で表現しただけなのかもしれない。
しかし、ここに在る世界はあの頃と何ら変わらない彼の幻想世界である。
それも、意図的なものというより、ブレットが再び自らの幻想世界に陶酔することを必要としているように思えるほど自然で、切実なものを感じる。
芸術は個人の夢であり幻想であり、現実的社会(社会が共有する幻想)と逆立する。
そのため、芸術が生まれるためには必然的に苦悩がある。ブレットはそれを乗り越え、再び帰ってきた。
このアルバムを聴いて、少なくとも私はそう感じた。

Brett Anderson Part.2

前作からわずか1年弱で発表されるソロ第二作目。このインターバルの短さからは、前作で表現し切れなかったものを、一刻も早く表現し直したいというブレットの強い意思が透けて見えるようである(実際収録曲の内の2曲は、前作発表時のB面やアルバム未収録曲の再録である)。今作ではバンドサウンドではなく、ピアノ、アコギ、チェロのみというシンプル極まりない布陣で自身の世界観を表現しようと試みている。そして出来上がった今作は、楽曲自体は前作の延長線上にあるが、より研ぎ澄まされた、ブレットの表現したかった作品に仕上がっているのではないかとは思う。つまり今作は良く言えば前作の完成形、悪く言うと焼き直しとも言えると思う。
しかし、その自身の表現したかったものを頑なに追及した余り、完成度は高いが曲のバラエティに乏しく、やや聴き手が曲の世界に入り込むのを許さないような堅苦しさがある。一般向きとは到底言いがたく、ブレットの熱心なファン向けといった感が強い。それに、『New Morning』以来のシンプル路線もここまで続いてくると、この先の発展が見えないし、ファンとしてもやや食傷気味。かれこれもう十年以上傑作といえるアルバムをモノにできていないブレット、この次はどう出るのか。もっと劇的な変化が必要な気がする。

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