Up / REM

Up

Up / REM

Artist:REM
Label:Warner Bros / Wea
発売日:1998-10-21

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地味だが

ビル・ベリーの脱退とその後の混乱を反映してしまったかのように地味で内省的なトーンの、「どこがUPやねん」と世界中のリスナーに突っ込まれたであろうアルバム。冷たい無機質な音と懐かしさを感じる音が混じり合い、音響面やリズム面での試行錯誤が感じられます。だがしかしこの内省的ムードはR.E.M.のある一面がむき出しになっていると言えるのかも。心に滲みるアルバムです。
その中では例外的にスウィートなラブソングである5曲目、不思議な上昇感を持った、深夜に聴くとはまる11曲目、文句なく美しい最後の2曲あたりがお勧め。

ひとつの極み

R.E.M.の長いキャリアの中でも、特に地味で内省的なアルバムではあります。
でも、一度や二度聴いた印象で終わらせてしまうにはもったいない、
驚くほどの奥行きと普遍性を持った秀逸な作品だと思います。
個人的には、R.E.M.のベストどころか、今までで一番多く聴いたロックアルバムです。
とは言っても、一般的なロックとは離れた、今で言うポストロック的な音作りで、
詩作も含め、全体的に憂鬱な雰囲気が覆っているため、
気分が上向きな時にこのアルバムを楽しむのは不可能かもしれません。
夜寝る前がおすすめです。途中で寝てしまう可能性が高いですが。
特にはじめの4曲、空港で働く労働者の憂鬱を歌ったAirportmanに始まり、
色々なことをとりとめもなく望む人を不気味に描くHopeにかけての
「アンニュイ」な雰囲気には、どう反応したらいいか分からないかもしれません。
でも、嬉しくも悲しくもない、ただ無力さを感じることの多い現代人としては、
この音と詩から生まれるリアリティがだんだんと病みつきになります。
5曲目で救われますが、6曲目から9曲目にまた落ちます。
10曲目でまた救われ、11曲目からは憂鬱が奇妙な喜び、愛、決意に変わり、
何だかよく分からない高揚感でもって終わりを迎えます。
このアルバムが、ひとつの人生という気がします。
だから、全体的に白昼夢のような奇妙な情景を描きながらも、
それは逃避的ではなくて、現実を真剣に見つめた作品だと言えます。
単に楽しい、悲しいという感情を増幅する音楽は、それはそれで素敵なものですが、
そればっかりでは本当のことを覆い隠してしまうかもしれません。
たまに、こういう作品を聴いて、アンニュイな気分になるのも悪くないと思います。

心地良い疲労感に包まれる

 バンド結成当初からのドラマー、ビル・ベリー脱退による混乱、そしてそこからの再生を静かに綴った、個人的に『Automatic for the People』 の次に好きなアルバム。
 『Up』というタイトルとは裏腹(皮肉と捉えればいいのやら)に、内省的なエレクトロニカが中盤を支配する、至って平熱な構造。でも、それが優しく寄り添ってくれる。
 特に8曲目“You're In The Air”辺りからラスト“Fall To Climb”までの流れが実に味わい深い。陰鬱なトーンながらマイケル・スタイプの歌は力強い“Walk Unafraid”、ギターのアルペジオが静謐な美しさと優しさを誇る“Why Not Smile”、曲と歌詞の世界観が都会的で、心地よい疲労感に覆われている名曲“DaySleeper”.......ため息が出るほど完璧。

ずっと側にいてくれる

どうしようもなく病んだ時にこれを聴きながら海に行ったことがあります。ゆっくり人生を共に考えてくれる、そんな曲の集まり。僕は落ち込んだときに聴きます。
とてもいいアルバムです。

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